2018年3月29日

翻訳ジョーク考№5(ゴルフ)

 今回は「翻訳ジョーク考」の第五回目です。

 この記事のコンセプト及びジョークの選び出し方は第一回をご参照ください。

(第一回の記事はこちら。)

   

 使う本は、Fred Metcalf氏編The Penguin dictionary of Jokes(UK版)です。

 今日の記事は127ページ3番目のジョークに決まりました。

 カテゴリーは「ゴルフ(Golf)」で、試訳は以下の通りです。 

 

ゴルフ:32


 ハリーの爺さんが死んだよ。それにしても明日のゴルフ、僕らと行くつもりでいたかと思うと不憫でさ。

 なんてこった!

 ひどい話だ!でもちょっと待てよ……もしかしてボブなら代わりに来れるかも!


Golf : 32

  Old Harry is dead. And to think that he was going to play golf with us tomorrow.

  It's awful!

  It's tragic! But wait a minute. . . Maybe we can get Bob to fill in for him!

(The Penguin dictionary of jokes, wisecracks, quips and quotes, compiled by Fred Metcalf, Penguin, 2009, p.127.)


 これはあんまり解説の必要がなさそうです。

 それにしてもこういう熱中しやすいものの代名詞としてネタになるスポーツが、英語ジョークの感覚ではゴルフなんですね。

 

 私のゴルフ経験は大学生の時に何度か打ちっぱなしをしたことがあるくらいのものでそこまで熱中する心境というのは具体的にわかりませんが、遠足か何かを楽しみにして、前の晩なかなか寝つけなかったり当日の朝ずっと早起きしたりという思い出なら確かにいくつか心当たりがあります。

 

 落語でも「笠碁」とか「碁どろ」などのまくらにはよく「碁将棋に凝ると親の死に目に会えない」という決まり文句が出てきますが、こういうものはそれほどの大事でさえも失念してしまうほど熱中する危険性があるということでしょう。

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 ハリーさんもおそらくゴルフ大好き人間で、この二人もゴルフ仲間であることは間違いありませんが、「爺さん(old)」というくらいですからもしかすると病身で、(最後に?)プレイすることを楽しみにしていたのかもしれないと思うと、本当に不憫な感じがしてきます。

 

 哀悼の気持ちから一転してゴルフの打ち合わせに変わるところにこのジョークの妙味があるのは間違いありませんが、それにしてもボブがどんなやつか段々と気になってきますね。

 亡くなった方の代役にパッと名前が出てくるくらい都合のいいキャラクターのようなので、「今日ばっかりはしんみりしてないで、死んだ爺さんの分まで楽しもうぜ」とか何とか言ってハッスルしちゃうタイプなんでしょうか。(私の感覚だと「ゴルフ」と言えば「ハッスル」ですが、「ハッスル」は死語ですかね。)

 

 こういうネタはあんまりツッコミを入れるとどんどん不謹慎になりますので、ほどほどにしてまた次回お会いしましょう。

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